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五十嵐カノアに聞く

サーフィンがうまくなるために意識することとは?

 

日本人初となる世界最高峰の舞台ワールドサーフリーグ(WSL) チャンピオンシップツアー(CT)への参戦。さらに先日自身のホームビーチ、カリフォルニア・ハンティントンで開催されたUSオープンでの2連覇は記憶に新しい。名実ともに日本、いや世界のスーパースター・サーファーのひとりであるQUIKSILVER契約サーファー五十嵐カノア。彼に憧れサーフィンに明け暮れる日々を送る人も多いはず。ここで、そんなカノア本人にサーフィン上達のコツをこっそり聞いちゃいました。ぜひ彼のアドバイスを参考に、より充実したサーフィン・ライフを送ってください。

 

Q. サーフィンを上達するために意識することについて、何か良いアドバイスを教えてもらえますか?

海では何も考えない方がうまくなります。もうサーフィンは面白いからやってるだけ。最近のサーファーは、うまくなりたいっていう気持ちがありすぎちゃって、海の中でもそれだけしか考えてないから反対に成長しない人がすごく多いと思います。やっぱりサーフィンは友達や家族と一緒に楽しむスポーツだと思うので、楽しみながらサーフィンをしていれば2時間なんてあっという間に経ってしまう。逆にうまくなりたいってことだけ考えてサーフィンをしていると、その2時間がすごく長く感じてしまう。

海に入ってる時間はとても大切なので、何も考えずシンプルに楽しんでいれば、いつの間にか「ターンのパワーがもっと出てきた!」とか、「あっ、エアーが出来てきた!」とかって、自然にうまくなってくるんです。

僕もただ遊んでやってるってわけじゃないけど、自然にうまくなる楽しいサーフィンをいつも心がけてます。

 

Q. ちなみに、今年一番楽しくて印象に残っているサーフデイの記憶を教えてもらえますか?

ほんと最近ありましたよ。6月頭にバリのクラマスでナイトサーフィンをしたんです。レオ(レオナルド・フィオラヴァンティ)とコーディー・ロビンソンで、海の中では僕たち3人だけだったんだけど、頭半くらいのチューブでいい波の中、ビーチからスポットライトをおもいっきり当てて、スタジアムみたいにして、来年のクイックシルバーのシューティング(撮影)をしたんです。もう海の上で仲間とギャーギャー笑って、夜の10時から夜中の1時まで3時間も。この日は一生忘れないサーフデイになりました。


 

Q. 夜なのに波が来るって、見えるんですか?

全然見えない。海に入ってて波が来るのが全く見えないんです。ほんと感覚でやるしかなくて、目をつぶってもいいくらい。だいたいの感覚で「波が来そうだ!」って思ってパドルして、「やっぱり来た!」って感じでテイクオフするんです。たまに全然波が来てないのにパドルしちゃったって時もあるし。映像では波がライトに照らされて見えてるけど、実際に波が見えてるのはカメラだけなんです。僕たちは、だいたいの感覚でテイクオフして、感覚でチューブに入って技をやるって感じで、いつものサーフィンと全然違くて楽しかったです。

Q. 夜のチューブはどんな感覚でしたか?

夜のチューブの中は本当に変わった感じでした。不思議な世界にいる感じで、チューブにいる間は全部がスローモーションって感じで、「うわーキレイだなー!」って。真っ白じゃないんだけど、なんだろう、説明でいきない不思議な空間って感じですね。

ナイトセッションを3時間やった後に、夜中の1時から2時半までビーチでボードショーツの撮影もして。それで3時に宿泊先に戻って早朝の5時には起きて、サンライズのシューティングをやってそのまま11時まで。で、クラマスにまた戻って丸1日サーフィンしてました。

 

Q. グローバルシューティングって結構大変なんですね。

はい、結構ハードですよ。でもその分素晴らしい経験をさせてもらえるし、良いショットを沢山撮ってくれるから、やりがいがあって楽しいです。

 

 

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