五十嵐カノアがサーフィン界の最高峰のコンテスト、パイプマスターズでファイナリストとなる

クイックシルバーライダーで日本人の両親を持つ五十嵐カノアは、世界のトップサーファー達が参加するWORLD SURF LEAGUE (WSL)のトップカテゴリーである”チャンピオンシップ・ツアー”のハワイで開催されていた最終戦「Billabong Pipe Masters(通称:パイプマスターズ)」でファイナル進出という偉業を成し遂げ、ルーキー・イヤーを終了しました。
パイプマスターズとは、プロテニスにおけるグランドスラム大会と匹敵する名誉と権威を有した世界中のプロサーファーなら誰しも優勝を夢見る大会の一つです。今回、この大会に今シーズンのツアー参加選手中最年少の19歳という若さで初出場したカノアは、素晴らしい結果を残しました。サーフィン界のレジェンド、11回ものワールドタイトルを獲得しているケリー・スレーター(アメリカ)、そして強豪のジョーディー・スミス(南ア)等の強豪を打ち破り決勝に進出、ミシェル・ボーレズ(タヒチ)と対戦することとなったのです。決勝戦は波数が少なく、決して恵まれたコンディションとは言い難いものでしたが、その展開はドラマティックなものでした。優勝したミシェルは僅か1.36ptカノアを上回り優勝を勝ち取りましたが、スコアが示すように大接戦だったのは言うまでもありません。
今回の試合を振り返りカノアは以下のようにコメントをしています。
「夢が一つ実現しました。ミシェル(・ボレーズ)と決勝を戦えて最高でした。大会中、特に準決勝でケリー(・スレーター)との対戦は忘れる事ができません。僕がなかなか良いスコアが出せない中、ケリーは自分のリズムで試合を進行していました。ただ大きな波は来ていたので、最後までチャンスがあると思って諦めてはいませんでした。そして最後に乗ることになったあの波がどこからも無く来た時、信じられなくて笑っちゃったんです。できるだけストール(波に手を入れてわざとスピードを落とす事)して、チューブに入り、そこから出てこれた時は最高でした。今は自分を誇らしく思っています。もう既に来シーズンが楽しみで仕方ありませんね。」
チャンピオンシップツアーの開幕戦「クイックシルバー・プロ・ゴールドコースト」で9位、また他の試合では13位という結果だったカノアにとって、今回のパイプマスターズでの準優勝2位はシーズンベストの結果となりました。今回の大会でツアーは全日程が終了。カノアは最終ランキングを20位としました。この結果を受け、チャンピオンシップツアーの下部ツアーとなるクォリファイツアーから同じくクイックシルバーライダーのイズキール・ラウ(ハワイ)が繰り上げとなり、来年のチャンピオンシップツアーへの昇格が決定。これにより、2017年の世界最高峰のワールドツアーにクイックシルバーライダーから、五十嵐カノア、そして元日本人プロサーファーの母親を持つコナー・オレアリー(オーストラリア)、イズキール・ラウ(ハワイ)、レオナルド・フィオラバンティ(イタリア)、ジェレミー・フローレス(フランス)、ウィゴリー・ダンタス(ブラジル)の6名が参戦する事になりました。来年のライダー達の活躍をご期待下さい。